第690章 人も獣も皆殺し!

武聖の器の気配が、素早く押し寄せてきた!

ただの余波だけでも、秦玉を何歩も後退させた!

秦玉は急いで二壮を自分の前に立たせ、武聖の器の余波を防ごうとした。

この時、般若尺から放たれた気配は、すでに太一に向かって押し寄せていた!

秦玉は冷笑を浮かべながら、すぐさま神識で太一を操り、手を上げて迎え撃たせた!

太一は巨大な手のひらを広げ、真っ直ぐにその武聖の気配を掴もうとした!

「死に急ぎか!」璩蠍は見かねて、思わず怒鳴った!

武聖の器の気配はさらに強まり、一撃で太一を殺そうとしているかのようだった!

しかし太一の体は何という存在か?それは仮面女墓地の護道者であり、大能を超える存在なのだ!

その肉体は武聖でも傷つけることはできない!

太一は大きな手を前に押し出し、容易く武聖の器の放つ余波を押し止めた!!

その気配は、太一の手のひらの下で、絶えず後退していった!

璩蠍は目を見開き、顔色は真っ青になった!

これは何なんだ?手のひらで簡単に武聖の器を防いだ?!

現代の武聖でさえ、こんなに簡単にはできないだろう?

璩蠍が我に返る前に、太一の手はすでに前方へ覆いかぶさっていた!

璩蠍は顔色を変え、逃げ出そうとした。

しかし秦玉がそんな隙を与えるはずもなく、すぐさま二壮を一歩前に出し、門を塞がせた!

二壮は体格が良く、門を完全に塞いでいた。

そして太一は手を伸ばし、一気に般若尺を奪い取った。

「お前...返せ!」璩蠍は慌てた!

彼は手を伸ばして般若尺を奪おうとしたが、太一に一発殴られて吹き飛ばされた。

その後、太一は般若尺を秦玉に渡した。

秦玉はその般若尺を受け取り、思わず笑みを浮かべて言った:「思わぬ収穫があったな...この武聖の器は、俺のものだ!」

璩蠍の顔色は最悪だった!武聖の器を失うことは、大変な事態だ!

「秦玉、般若尺を返してくれ!返してくれれば、どんな条件でも飲もう!」璩蠍は焦って言った。

秦玉は眉を上げて言った:「いいだろう、顔若雪を連れて行かせてくれれば、この棒切れを返してやる。」

この話題が出ると、璩蠍の眉間にしわが寄った。

彼は太一と二壮を見て、その後深く息を吸い、言った:「秦玉、お前は顔若雪を連れて行くことはできない。」