本来秦玉は小魚を連れて慶城へ行くつもりだったが、洪一門の人々が小魚の異常に気付くことを恐れ、やむを得ず断念した。
翌日。
秦玉は早朝から慶城へ向かった。
慶城は比較的辺境の都市だった。
かつてはとても栄えていた都市だったと言われているが、後に何の前触れもなく徐々に衰退していった。
地方政府は様々な対策を講じたが、投資誘致にしても風水師を招くにしても、効果は見られなかった。
投資に来た多くの商人たちは、最後には底をつくほど損をした。
この理由により、慶城は呪詛の城という別名を得ることとなった。
秦玉は空港に座り、周囲を見渡した。
広大な空港なのに、人影は極めて少なく、空港の規模とは著しく不釣り合いだった。
秦玉は眉をひそめ、神識を解き放ち、何かを感じ取ろうとしたが、何も感じ取ることができなかった。