天守書とは、伝説に記された契約の書である。
八字髭の言う通り、この契約は破ることができず、さもなければ霊魂が危険にさらされる。
八字髭は天守書を二人の前に置き、へつらうような笑みを浮かべた。
「琴ばあや、秦玉のこいつが約束を守らないかもしれないので、特別に天守書を用意させていただきました」と八字髭はにやにや笑いながら言った。
そう言いながらも、皆の心の中では、この八字髭が明らかに秦玉を助けていることを知っていた。
もし秦玉が本当に負けたら、死が待っているのだから、天守書なんて署名する必要もない。
琴ばあやは顔を曇らせ、八字髭を睨みつけた。その眼差しは八字髭を生きたまま飲み込みたいかのようだった。
「私は天守書なんて署名する必要はない」と琴ばあやは冷たく言い放った。