第722話 1ヶ月後に会おう!

天守書とは、伝説に記された契約の書である。

八字髭の言う通り、この契約は破ることができず、さもなければ霊魂が危険にさらされる。

八字髭は天守書を二人の前に置き、へつらうような笑みを浮かべた。

「琴ばあや、秦玉のこいつが約束を守らないかもしれないので、特別に天守書を用意させていただきました」と八字髭はにやにや笑いながら言った。

そう言いながらも、皆の心の中では、この八字髭が明らかに秦玉を助けていることを知っていた。

もし秦玉が本当に負けたら、死が待っているのだから、天守書なんて署名する必要もない。

琴ばあやは顔を曇らせ、八字髭を睨みつけた。その眼差しは八字髭を生きたまま飲み込みたいかのようだった。

「私は天守書なんて署名する必要はない」と琴ばあやは冷たく言い放った。

「私は京都武道協会を代表している。決して約束は破らない」

秦玉は嘲笑った。「お前ら京都武道協会の言葉なんて、屁と変わらないぜ。署名する勇気がないなら、そう言えばいい」

琴ばあやの表情は一層冷たくなり、目を細めて言った。「秦玉、言葉遣いには気をつけなさい」

「無駄話はいい。署名する勇気があるのか、ないのか?」と秦玉は冷笑した。

「どうやら、お前の飼っているこの畜生にもあまり自信がないようだな。何だ?俺が一発で殺してしまうのが怖いのか?」

琴ばあやが言葉を発する前に、傍らの小黒は我慢できなくなった。

彼は大股で前に出て、冷たい声で言った。「俺が署名してやる!誰が誰を恐れているというんだ!」

八字髭はそれを見て、急いで言った。「はい、指を噛んで血を出し、この天守書に滴らせればいいだけです」

小黒は軽く鼻を鳴らし、指を噛もうとした時、琴ばあやが彼の手首を掴んだ。

「私がやろう」と琴ばあやは冷たく言った。

秦玉は嘲笑って言った。「誰がやってもいい、どうせ結果は同じだ」

琴ばあやは何も言わず、天守書の前に歩み寄り、自分の指を噛んだ。

一滴一滴の血が、彼女の指から天守書の上に滴り落ちた。

血が落ちた瞬間、天守書から濃い煙が立ち上った!

そして、その煙は微かな光となって、琴ばあやの眉間に向かって突き進んだ!

「ゴォン」

光が琴ばあやの眉間に入り込み、賭けの契約が正式に締結された。

「お前の番だ」と琴ばあやは目を細めて言った。