琴ばあやは顔色を変え、心の中では非常に不愉快だったが、葉青に対しては、やはり幾分か警戒心があった。
かつて、琴ばあやは葉青の成長を見守ってきたのだ。
そして葉青の成長の道のりで、京都武道協会は多くの妨害をしてきた。
そのため両者の関係が良好なはずがなかった。
琴ばあやは軽く鼻を鳴らし、身を翻して立ち去った。
葉青の身分だけでも、彼女には対抗できないものだった。
十数分後。
一台のタクシーが、遠くから走ってきた。
来たのは他でもない、まさに秦玉と八字髭だった!
秦玉が車から降りた瞬間、無数の視線を集めた。
人々は一斉に秦玉を見つめ、小声で議論し始めた。
秦玉は一言も発せず、群衆を通り抜け、大股で青崗山に向かって歩いてきた。
「秦玉!」
そのとき、葉青が秦玉に手を振った。