この秘境はそれほど大きくなかったため、秦玉が費やした時間はそれほど多くなく、すぐに大道が示した場所に到着した。
周囲を見渡すと、ここは確かにより荒涼としていた。
木々はおろか、岩さえも風化しており、まるで砂漠のようだった。
秦玉は身をかがめ、八字髭の男のやり方を真似て、ゆっくりと地面を撫で、一寸一寸の土地の違いを感じ取っていった。
これは大仕事だった。極めて細かい作業が必要で、少しでも気が散れば異常を見逃す可能性があるため、多くの時間を要するのだ。
その時、宮殿の一角にある部屋で。
万古瓊は険しい表情を浮かべていた。
彼の傍らにいる二人の老人は一言も発せず、万古瓊の命令を待っていた。
「くそっ!あの秦玉をこのまま見逃すのか!」万古瓊は歯を食いしばって言った。
傍らの老人が言った。「あの若者が一体何をしたというのだ、こんなにも怒りを買うとは。」
万古瓊は彼を一瞥し、ため息をつきながら言った。「私はそんなに度量が狭くない。彼を殺そうとするのは、彼から危機感を感じたからだ。」
「危機感?」傍らの老人は思わず驚いた様子を見せた。
万古瓊は頷いて言った。「ああ、もしあの者が武聖の境に踏み入れたら、我々の秘境の中で誰も彼に太刀打ちできなくなるだろう!」
「そして私が彼を知る限り、彼は必ず万家全体を滅ぼすはずだ!」
傍らの老人は思わず笑って言った。「万若様、考えすぎではありませんか?現代では武聖は出現しないことをご存じでしょう?」
万古瓊は冷たい声で言った。「しかし、彼がこの状況を打破するという噂がある。」
「多くの者が予測している。来年には、武聖が出現しない時代が変わるだろうと。」
この言葉を聞いても、二人の武聖は気にする様子を見せなかった。
「たとえ彼が武聖になったとしても、所詮は新米の武聖だ。殺すのは難しくない。」
万古瓊は首を振って言った。「いや、この者は尋常ではない。」
「彼は武侯の境に踏み入れた時から、ほぼ武侯の境で無敵だった。一旦武聖になれば、何が起こるか分からない。」
万古瓊の言葉を聞いた後、二人の老人は口を開いた。「彼を殺す方法はいくらでもある。楽賢が彼を守ったところで何になる?まさか二人の武聖を常に彼に付き添わせることができるとでも?」