第879話 一撃でいい!

秦玉の顔に冷笑が浮かび、その身から放たれる気配が急速に高まっていった。

これこそ彼の望むところだった。この状況で、顧星河が手を出さないはずがない!

「小僧、戦いたいのなら、この私が相手になってやろう!」その時、長眉が突然前に出て、顧星河の前に立ちはだかった。

秦玉は彼を一瞥し、まったく隠すことなく嘲笑って言った。「お前が?お前は顧星河の犬に過ぎない、相手になる資格があるのか?」

「どうした、今は主人が出てこられないから、一匹の犬が出てきたというわけか?」

長眉はこの言葉を聞いて、怒りが一気に爆発した。

彼は一歩前に出て、冷たい声で言った。「小僧、親が礼儀を教えなかったようだな。私が代わりに教育してやろう!」

言い終わるや否や、長眉は先手を打った。彼が袖を大きく振ると、鋭い気勁が幾筋も秦玉に向かって放たれた!

秦玉は考えることもなく、すぐさま太初聖拳を繰り出した!

金の拳は瞬時に長眉の術法を打ち砕き、彼を数十メートル後方に吹き飛ばした。その口からは鮮血が噴き出した!

これには誰もが息を呑んだ!

長眉は半歩武聖の境にいて、武聖まであと一歩というところだったのだ!

それが今、秦玉の一撃で吹き飛ばされるとは?

長眉は地面から這い上がり、口元の血を拭いながら、歯ぎしりしながら言った。「小僧、確かに実力はあるようだな...」

「どうした、まだ死にに来るつもりか?」秦玉は冷たく言った。

「もし近づくなら、今度は容赦しないぞ。」

長眉は大声で叫び、動こうとしたその時、顧星河に止められた。

彼は意味ありげな笑みを浮かべ、冷笑まじりに言った。「今日は入学式の大切な日だ。本来なら命だけは助けてやろうと思っていたが、まさか君がここまで挑発してくるとはな。現場を混乱させおって。」

秦玉は薄く笑って言った。「無駄話はいい。みんなも知りたがっているだろう。この秘境から出てきた若様が、私たちより何が優れているのかをな。」

見渡すと、確かに、観衆の一人一人の目には憧れと期待の色が浮かんでいた。

顧星河は冷笑して言った。「よかろう。それならば、お前に私との実力差を思い知らせてやろう!」

話しながら、顧星河の気配が急速に高まっていった。彼が両手をゆっくりと上げると、その胸の前に太陽のように灼熱のエネルギーが凝縮されていった!