第51章 本当に彼女が産んだ子供だった

藤本建吾が曾祖母を階段から押したという疑いがまだ晴れていないため、藤本凜人は彼を藤本家に連れ戻さず、郊外のこのヴィラに住まわせていた。

夜になっており、彼は芽とパズルゲームをしていた。

ドアベルが鳴ると、芽が真っ先にドアを開けた。彼もそれに続いて来たが、内心少しいらだっていた。

こんな遅くに、誰が来るのだろう?

6時から9時までの間は、人に会わず公務も処理せず、息子と過ごす時間だと言っていたのに。

しかし冷たい表情で歩いてきて、その美しい顔を見たとき、冷たさは思わず消えてしまった。藤本凜人は細長い目を少し細め、眉を上げた。「寺田さん?」

今日、病院で会う約束をしたのに、彼女は断った。

夜になって、直接ここに来たのか?

そして今、彼女の目は病院であの夜のような熱狂的な目になっていた。灼熱の視線は人を焼くようだった……