寺田凛奈は黒いビニール袋に薬材を入れていた。その言葉を聞いて、適当に答えた。「少し漢方薬よ。おばあちゃんの目の治療のためよ」
石丸和久は少し驚いた様子で「漢方医学もできるの?」
寺田凛奈が話そうとしたとき、渡辺由佳がすでに口を開いていた。「彼女に何の漢方医学ができるっていうの?たぶん外で適当に買った既製品の軟膏でしょ?でもあなたのおばあちゃんの目は20年以上も見えないままよ。私たちは多くの医者を探したけど治せなかったわ。この雑多な、どこで作られたかわからない薬を、むやみに使わないでね!おばあちゃんは年だから、何か起こったらあなたが責任取るの?」
嫌味な声に寺田凛奈は眉をひそめた。
渡辺昭洋がすでに口を開いていた。「二姉さん、もういいよ!凛奈はまだ子供だよ。彼女に八つ当たりするなよ」