第142章 寺田真治がショックを受けた

藤本凜人は瞳孔が縮んだ。急いで娘を抱き上げると、小さな子供は眉をひそめ、ぼんやりとした意識の中で藤本凜人を見て口を開いた。「パパ、芽のお腹がすごく痛いの...」

お腹が痛い。

藤本凜人は急いで彼女を抱えて階下に向かったが、寺田芽は叫んだ。「ママを探したい、ママ...」

ママを探して...

病院に向かう途中、藤本凜人は携帯を取り出し、結局寺田凛奈に電話をかけた。

電話は長く鳴り続け、相手がようやく出た。そして声には不満が滲んでいた。「重要な用件でないと困るわ」

藤本凜人は「...建吾のお腹が痛がっていて、今病院に連れて行くところだ」と言った。

相手は1秒ほど間を置いただけで、声がはっきりしてきた。明らかに目が覚めたようだった。「すぐに行くわ」

第一病院のVIP病室にて。

藤本凜人はベッドの脇に座り、ベッドの上の小さな子供を見つめていた。液体が彼女の手を通して体内に流れ込んでいき、芽もようやく痛みが和らぎ、今は眠っていた。