第132章 ママ、置いていかないで……

「お嬢ちゃん!お嬢ちゃん?」

幼稚園は混乱していた。木田柚凪は真由美を抱きかかえ、直接保健室へ走っていった。走りながら彼女を呼んでいたが、真由美はまったく反応を示さなかった。

木田柚凪の心臓は真っすぐに跳ねているようだった。

この小さな命が彼女の腕の中にあり、なぜか涙を流したくなるような衝動に駆られたが、考えすぎないようにした。保健室に着くと、校医の診察で過敏症であることがわかり、すぐに病院へ搬送された。

木田柚凪が最初に彼女の失神に気づいたため、病院で医師に状況を説明する必要があり、同行することになった。

救急外来を受診し、医師の診察を受けた後、医師は眉をひそめて木田柚凪を見つめ、叱責した。「子供がマンゴーにアレルギーがあるのに、母親としてどうしてこんなに不注意なんですか?」