「……行きなさい」
目が離せないほど自分を見つめる寺田凛奈を見て、藤本建吾は仕方なく答えた。実際、彼はこういうことにあまり興味がなかった。
でも、母さんが寝ること以外に興味を持つのは珍しいことだから、一緒に行ってあげよう。
翌日。
藤本建吾は学校に行った。
心海はまだ入院中で、授業に来ていなかった。小さな友達たちは相変わらず藤本建吾のことを心配していた:
「芽ちゃん、心海ちゃんがまだ良くなっていないんだね。彼女のお母さんはきっとあなたのお母さんを許さないよ。気をつけてね!」
「芽ちゃん、心海ちゃんが学校に来たら、あなたは退学しなきゃいけないの?心配だよ〜」
みんなの好意に、藤本建吾は心が温まった。彼は口を開いた:「大丈夫だよ、心配ない……」
言い終わって、寺田真由美の好奇心に満ちた目を見たとき、もう一言つけ加えた:「よ」