寺田凛奈は少し驚いた。
揚城から京都に来てから、彼女は揚城のニュースを全く気にしなくなっていた。
寺田佐理菜は父親は同じだが母親が違う妹だが、二人の関係は緊張していて、彼女は全く気にしたくなかった。
ただ以前、小泉佐友理が京都に来て大学院を受験する話をしていた。
まさかここで彼女たちに会うとは思わなかった。
彼女は寺田佐理菜の言葉を無視し、代わりに小泉佐友理を見て、一言尋ねた。「誰の研究室を受けるつもり?」
小泉佐友理は寺田佐理菜をちらりと見て、おずおずと口を開いた。「まだ考え中で、受かりやすい先生を探そうと思っていて……」
「ふん」寺田佐理菜は嘲笑した。「あなたはそんなもんね。私は違うわ。今回来たのは目的がはっきりしているの。それは加納主任よ!」