寺田保裕はいつも頭が単純で四肢が発達していて、芽が男の子から女の子に変われると信じてからは、彼女をとても崇拝するようになった。
前回、彼が藤本凜人の子供だと言ったら、藤本凜人が本当に来て助けてくれたので、彼はもう芽の言葉を疑うことはなくなった。
そこで、彼は頷いて、直接口を開いた。「そうだよ、とても親しいんだ!彼女は瀬戸さんに僕たちに武術を教えてもらえるようにしてくれるんだ!」
彼は身振り手振りをしながら、口から「へいへいは」という声を出した。小さな体つきがとても純朴に見える。彼は口を開いた。「これからは、江湖を歩く大侠になるんだ!ひょっとしたら、軽功水上漂も習得できるかもしれない!飛天遁地、何でもできるようになるんだ!そうだろう、真由美?」
寺田真由美は大いに盛り上がり、尖った小さな顔に、ぶどうのように大きな目がとても輝いていて、一生懸命拍手した。「そうだよ!」
寺田保裕は小さな胸を叩いた。「これからは、俺がお前を守ってやる!」
「うん!」
病床に横たわっている心海は「……」
二人が去った後、夕方になって心海のお母さんが彼女の看病に来た。
心海のお母さんは明らかに少し混乱していて、感情が不安定で、表情もとても憔悴していた。
仕方がない。
篠崎家はすでにあらゆる力を動員してあの大師姉を探しているが、彼女の痕跡さえ見つからないのだ!
これはあまりにも奇妙すぎる。結局のところ、篠崎家は京都の闇の勢力の中でも、常に発展が良好だと考えられていた。単独の家族が情報をこれほど厳重に、隙間なく隠すことは不可能なはずだ。
結局のところ、瀬戸門にも彼らの人がいる。豪門の中で、寺田家のようにほとんど秘密がないようなところでは、情報を探そうと思えば、藤本家のような大家族でも、藤本さんが彼らの家の若旦那を守るように秘密にし、誰にも面会させないほどの秘密保持をしない限り、彼らが探れない情報はないはずだ。
しかし、この大師姉は、まるで空気のようだ。
これは全く不可能なはずだ!
すべての家族が手を組んで彼女を守らない限り、このレベルには達しないはずだ!