第235章 この花を、捨てよう

寺田凛奈は眉を上げた。

  彼女のこの別人格は実際、突然現れたものだった。

  海外にいた時、寺田芽が偶然ある花木のウェブサイトを開き、そこに斑点だらけの蘭の写真を指さして病気を治してほしいと言ったときに登録したものだった。

  当時寺田芽はまだ3歳で、花に色むらができるのは、人の皮膚にシミができるのと同じように病気だと思っていた。

  彼女がちらっと見たところ、本当に花が病気になっていることがわかり、いくつかの漢方薬を使って治療する必要があった。

  暇つぶしに、彼女は技術の腕がうずいて、その投稿にコメントを残し、漢方薬の処方を送り、1日1回花に薬を噴霧すれば、1週間後には改善すると伝えた。

  当時、返信するにはアカウント登録が必要だったので、彼女は適当に松野という名前で登録した。蘭の花を再び若々しく輝かせるという意味だ!