第181章 寺田凛奈はAntiだった!

寺田凛奈は彼を見ることなく、更衣室に真っ直ぐに入った。

  秋田信三は扉の外に立ち、その場で固まっていた。

  先ほどの寺田さんの言葉の意味は、彼女がAntiだということなのか?

  これは...まさか?

  秋田信三は唾を飲み込んだ。彼は本当に寺田凛奈をAntiという身分で考えたことがなかった。なぜなら、外科手術は時間をかけて鍛錬する必要があり、多くの手術を行うことで感覚を養う必要があるからだ。

  彼らの業界では、優秀な外科医のほとんどが中年で、体力もあり、経験も積んでいる。そのため、皆の心の中では、Antiは中年の男性か女性のイメージだった。

  寺田凛奈は...若すぎる!

  彼女の年齢では、Antiの第一助手のリリでさえ、どうにか及第点といったところだろう?

  彼女が、彼女が、彼女が本当にAntiなのか?