第230章 瀬戸家の大師姉!(4)

寺田凛奈の車があまりにも速く、性急すぎたため、ほこりが舞い上がった。

ほこりを顔に浴びた4人は一斉に彼女を見た。車が止まり、寺田凛奈がドアを開けて降りるのが見えた。

彼女だと分かると、心海のお母さんはすぐに緊張し、松川文弥を見た。彼女に迷惑がかからないかと心配だった。

一方、篠崎冠介は目立たないように彼女と松川文弥の間に立ち、自分の強くたくましい体で、松川文弥が突然危害を加える可能性を遮った。

結局のところ、これは「力のない」女の子なので、彼は守らなければならないと思った。

あれ、どこか変な感じがする?

篠崎冠介は寺田凛奈のあの細くて痩せた体を見たとき、彼女が以前十数人と単独で戦い、心海の寝室に突入したことをすっかり忘れていた。結局、実際に見たわけではないからだ。

小出佑一は寺田凛奈を見て、少し驚いた。大師姉と呼ぼうとしたが、突然周りに人が多いことに気づき、寺田凛奈が特に注意して、みんなの前で彼女の身分を明かさないよう言っていたことを思い出した。

そのため、彼は口を開いたが、またすぐに閉じた。

呼び方に悩んでいたため、小出佑一はしばらく話さなかった。

松川文弥だけが「ふん」と言った。「寺田さん?あなたも来たの?どうして?篠崎が来たと聞いて、威張りに来たの?」

この言葉を聞いて、小出佑一は驚いて松川文弥を見た。

えっ?彼は大師姉を知っているの?

でも、この口調はちょっとおかしくないか?

彼がそう考えていると、寺田凛奈が眉を上げ、彼を無視して篠崎冠介と心海のお母さんを見た。「あなたたちはどうしてここにいるの?」

心海のお母さんは松川文弥を一瞥してから説明した。「芽が心海を連れて瀬戸門に武術を学びに行ったので、私たちはここで心海が出てくるのを待って、家に連れて帰るつもりです。」

この言葜を聞いて、寺田凛奈は眉を上げた。

瀬戸さんの建吾への愛情の程度からすれば、建吾が一言言えば、瀬戸さんは必ず篠崎夫婦のために立ち上がったはずだ。しかし、彼らは建吾を通じて瀬戸さんに接近することを考えもしなかった。

これで彼女の心海のお母さんへの好感度が倍増した。

彼女は目を伏せた。「うん。」