第434章 法廷開廷!

"""

真由美を挟んで、木田柚凪は彼を見つめ、声はとても低く浅く、真由美を起こさないように気をつけながら答えた。「緊張していません。」

  寺田真治は「ん」と言った。

  木田柚凪は彼が寝るのだと思い、布団をかぶせ、目を閉じた。

  今は夏で、部屋のエアコンの温度はかなり低く設定されていた。三人家族で、木田柚凪と真由美は一つの布団を、寺田真治は別の布団をかぶっていた。

  木田柚凪がほとんど寝入りそうになったとき、寺田真治の浅い声が聞こえてきた。「柚凪、安心して。堀口泉弥には代価を払わせるから。」

  木田柚凪はハッとした。振り向くと、寺田真治の目が闇の中で冷たい光を放っているのが見えた。彼の声は高くならなかったが、言葉には力強さがあった。「これからは、誰も君たちを虐めることはできない。」

  木田柚凪は唇を噛み、目が赤くなり、胸が痛んだ。

  若い頃は一生懸命に恋をしたが、愛し方がわからず、ちょっとした不満で大騒ぎをし、喧嘩して別れるなんて言葉をよく口にしていた。

  まるで無敵の精神でもあるかのように。

  でも本当に失って、再び手に入れた時、初めて愛の尊さがわかる。

  彼女は突然、昔の自分を憎むような気持ちになった。なぜ写真を見た時、寺田真治に電話をかけるのではなく、現場に行って彼に直接写真を見せて確かめなかったのか。

  もし確かめていたら。

  もし彼が一時の怒りで、ひどいことを言わなかったら。

  二人のこの5年間は、すれ違うことはなかったかもしれない。

  そうすれば、真由美も迷子にならなかったかもしれない。

  木田柚凪は突然手を伸ばし、真由美を越えて、手探りで寺田真治の手を握った。今度こそ、もう二度と離さない。

  -

  翌日目が覚めて部屋を出ると、藤本凜人が寺田凛奈の寝室から出てくるのを見かけた。

  寺田真治は思わず尋ねた。「昨夜、君は……」

  「客室で寝ました。」

  藤本凜人は目尻の泪痣を輝かせながら、丁寧に答えた。「彼女が起きたかどうか見に行っただけです。」