寺田真治はまだベッドで寝ている母娘を一瞥すると、この瞬間、心の中の怒りは極限に達した。
特に昨夜、彼は木田柚凪が計6回目を覚ましたことを細かく数えていた。毎回30分以上かかってようやく再び眠りにつくことができた。
そんな木田柚凪と比べると...真由美はこの5年間、少なくとも彼のそばにいて、虐待を受けることはなかった。
しかし木田柚凪は?
彼女のこの5年間の精神的苦痛は、どれほど辛かったのだろうか?!
寺田真治は拳を固く握りしめ、昨日堀口泉弥を国外に送り出したことを少し後悔した。そのせいで今彼女はムヘカルの手に落ちてしまった。そうでなければ、今頃彼女は生きた心地がしないはずだった。
彼は視線を戻し、静かに部屋を出て、ドアを閉めてから階段を降りた。
1階のリビングルームで。