第449章 木田柚凪に後ろ盾はないのか？

木田柚凪：？？？

寺田凛奈：？？？

部屋にいる全員が、寺田おばあさんの言葉に含まれる軽蔑の意味を聞き取った。

真治のために子供を産んだから、子に従って母は貴くなるって何よ？！

この言葉の裏には、彼女の立場を認めない態度が隠されていた！

特に、誰が人の目の前で、子供の頃の恥ずかしい出来事を話すものか？

寺田凛奈の目つきが冷たくなり、そのブレスレットをテーブルの上に投げつけた。鮮やかな「パン」という音が鳴り響いた。

しかし寺田おばあさんは気づいていないかのように、さらに口を開いた。「真治や、あなたたちは中学生の時から付き合い始めて、大学卒業まで続いて、別れたんだって？5年も離れていたのに、また一緒になって...自分の産んだ娘を抱きしめられて、こんな大きな家に住んでいるなんて。木田さん、幸せを感じているはずよね？」

木田柚凪の目つきがさらに冷たくなり、手を引き抜こうとした。

寺田おばあさんは依然として彼女の手をしっかりと握っていた。「人はね、恩を忘れてはいけないのよ。木田さん、あなたは子供の頃、堀口家のご飯で育ったでしょう。今は高い枝に登ったからって、恩返しとは言わないまでも、少なくとも恩を忘れてはいけないわ。」

木田柚凪は目を細めた。「おばあさま、あなたの言っていることがよくわかりません。」

寺田真治も突然立ち上がり、表情を冷ややかにした。「柚凪、先に2階に行って子供を見てきて。真由美があなたを呼んでいるようだ。」

そう言うと、彼は寺田おばあさんを見た。「おばあさま、今日ここに来られたのは珍しいですね。何か用事があるなら、私と話しませんか？」

寺田真治はまだにこにこしていたが、その場の雰囲気は一変した。

木田柚凪はほっとした。

彼女は寺田家の年長者と言い争いたくなかった。結局のところ、彼女は今ここにいるのが非常に居心地が悪いのだ。

彼女と寺田真治は結婚していないが、娘を手放したくないし、しかも娘と再会したばかりだったので、ここに住むしかなかった。

家政婦たちが彼女を「木田さん」と呼ぶたびに、実際彼女にとっては恥ずかしいことだった。

しかし、彼女は気難しく出ていくことを提案できなかった。