第452章 私が一緒に死のうか？

寺田凛奈は目の前の状況を見て、少し眉をひそめた。

彼女は理解できずに木田柚凪を見つめた。

以前は木田柚凪から自分の母親がいかに偏愛しているかを聞いていただけで、実際に目にしたことはなかったので、そこまで怒りを感じていなかった。

まして、彼女には母親がいないので、母性愛に対する感覚はさらに薄かった。

しかし、この瞬間、秋田七恵の行動を見て、彼女はやはり非常に腹が立った。

彼女は眉をひそめ、突然木田柚凪を回り込んで一歩前に出て、秋田七恵に向かって歩き出した。

秋田七恵は驚いて言った。「近づかないで！近づいたら、自分を刺すわよ！」

寺田凛奈は落ち着いた口調で言った。「そんなに死にたいんですか？だったら教えてあげましょう。喉を切るなら、必ず大動脈を狙ってください。そうしないと、とても苦しむことになりますよ。」

秋田七恵は呆然とした。

寺田凛奈は足を止め、これ以上前には進まなかった。彼女は振り返って、入り口に立っている寺田真治を見て口を開いた。「お兄さん、私の医療バッグを持ってきてもらえますか。」

そう言って、彼女は秋田七恵に笑いかけた。「すみません、私の身分はご存じでしょう。私は外科医です。あなたが喉を切った後、あなたを救う自信があります。もちろん...ここには麻酔薬がないので、止血のために直接傷口を縫合する必要があるかもしれません。首から針が通る痛みに耐えなければなりませんが...私は速いので、30分もかからないでしょう？」

そう言って、寺田凛奈はまた笑った。「それに、寺田家の医療設備はそれほど完璧ではないので、傷跡が残らないとは保証できません。でも心配しないでください...」

彼女の唇の端の笑みは不気味で冷酷に見えた。「見た目は良くないかもしれません。布人形が縫い直されたような感じになるでしょうが、死ぬことはありません。」

「もちろん、傷跡が残らない可能性もありますが、その確率はとても低いです。」

彼女はそう言って、真剣に秋田七恵を見つめた。「堀口夫人、いつ自分の首を刺すおつもりですか？」

秋田七恵：！！

彼女の言葉に、なぜかとても背筋が寒くなった。