寺田亮は眉をひそめた。「何?」
その言葉とともに、藤本奥様が入ってきて、笑いながら言った。「お侄子さん、今日は凜人と寺田さんの縁談のことで来たのです」
寺田亮は唇を噛んだ。「伯母様、二人の結婚話とは?」
藤本奥様は笑い、目を伏せながらソファの向かい側に座った。求婚の態度ではなく、むしろ高圧的だった。「寺田さんはこれだけ多くの問題を起こし、今日もまた医科大学で何かディベートに参加したそうですね。三原御医の最も優秀な弟子が医科大学に行ったと聞きましたよ。寺田さんは今回、良い結果は得られないでしょうね」
この言葉を聞いて、寺田亮と寺田真治は目を合わせ、二人とも心配そうな表情を浮かべた。
本来、この件については寺田家が助けを出す予定で、寺田亮と寺田真治の方でもいくつかの対処案を用意していた。