木田柚凪の体はほとんど震えていた。「父は何をしたというの?父は当時も冤罪だったのよ。今こうなってしまったのも、追い詰められたからです!」
さっきまで不満を言っていたのに、他人が言い出すと、思わず父を守ろうとしてしまう。
伯母は溜息をついた。「そんなに私たちを拒絶しないで。私たちは真由美の祖父母なのよ。彼女を害するわけがないでしょう」
その言葉が落ちた瞬間、入り口から冷たい声が響いた。「ご心配には及びません」
そして、寺田真治が大股で入ってきた。
いつもは笑顔を浮かべている人物が、今は微笑一つ浮かべず、冷たい眼差しで目の前の二人を見つめた。「あなたがたは真由美の祖父母とは言えません」
伯父と伯母は寺田真治を見て、表情に動揺の色を見せた。
伯母は溜息をついて「真治、そんな言い方は…」