藤本修也のこの一手は、藤本凜人の気迫を抑え込もうとするものだった。
取締役会で指導者が最後に到着することは全く問題ないのに、彼は「おじさま方」という言葉を使って、出席者全員が自分より年上で敬意を払うべきだと示した。
藤本凜人が謝罪を拒否すれば、非常に無礼に見えてしまう。
しかし、謝罪すれば、入室時の威厳が失われてしまう。
藤本修也の一言で、藤本凜人は受け身の立場に追い込まれた。
寺田凛奈はスマートフォンを見つめ、この男がどうするか知りたかった。しかし、皆が彼を見つめる中、彼の視線は突然カメラに向けられ、画面を見つめていた。
まるで画面越しに、寺田凛奈の顔を見つめているかのように!
寺田凛奈:「……」
この男はそんなに敏感なの?
ただのカメラなのに、気づいたの?
いや違う……