第784章 天才?打脸?

寺田凛奈は急いで車を運転して家に帰り、会社からの次のプロジェクト書類を抱えて車から降りると、直接書斎へ向かった。

プロジェクト書類を机の上に置くと、彼女は携帯電話を手に取り、あたりを見回してから藤本凜人の番号に電話をかけた。

事件が起きてから今まで、これが彼女が初めて彼に連絡を取ろうとした時だった。

しかし電話をかけると、相手側からは「お客様のお掛けになった電話番号は、現在使われておりません」というアナウンスが流れた。

そうだ、あの携帯電話は爆発で壊れてしまったのだ。結局、遺体の近くから藤本凜人の持ち物が見つかっていた。

だからこの番号に連絡が取れないのは当然のことだった。

寺田凛奈は思わず、藤本凜人は一体どこへ行ってしまったのだろうかと考え始めた。

彼女が考え事をしているところに、部屋のドアが開き、三人の子供たちの頭が順番にドア口に現れた。寺田芽は大きな目をパチパチさせながら、甘えた声で言った。「ママ、パパのこと考えてるの?」