寺田芽は目をぱちくりさせた。「はい、わかりました!」
藤本奥様はここまで聞いて困惑した。「ちょっと待って、今何て言ったの?」
もしかして……
「スポンサーのおじいちゃんはおじいちゃんだよ!」
寺田芽の一言で、藤本奥様はさらに混乱した。「え?」
寺田芽は一言一句丁寧に説明した。「おじいちゃんはスポンサーのおじいちゃんだから、だからあんなにたくさんプレゼントをくれるんだよ!曾祖母、これからおじいちゃんがくれるものは、もらっちゃダメなの?」
小さな子は顔を上げ、とても真剣な表情で、建吾とそっくりな顔立ちながら、より多くの狡猾さと機敏さを見せていた。彼女は首を傾げて「そうなの?」と尋ねた。
藤本奥様は胸が詰まった。
彼女は実際には寺田亮を貶めるつもりはなかった。ただ寺田芽が彼女に対して寺田亮ほど親しくないこと、ネット上でも人を呼ぶときにあんなに親密に呼びかけ、あの「おじいちゃん」という言葉が本当に心に染みることが気になっていた。
彼女は実の曾祖母なのに、どうして一人のおじいちゃんにも及ばないのか?
それで先ほど焦って小細工をし、あんな言葉を言い、わざと寺田亮が彼女をサポートしていないと言って、小さな子の心の中で自分をもっと好きになってもらおうとしたのだが、思いがけず振り向いたら顔を打たれたようなものだった!
彼女はすぐに気まずそうに口を開いた。「……そんなことはないわ。寺田亮はあなたのおじいちゃんで、あなたも寺田姓だし、彼からのものはもらっていいのよ。」
「うん!」
寺田芽は嬉しそうに彼女を見た。「曾祖母、おじいちゃんはもう私のランキング1位だよ。芽は曾祖母の言うことも正しいと思うよ。私は寺田姓だけど、藤本家の人でもあるから、曾祖母もランキング1位になれる?無理でも2位でもいいよ!」
藤本奥様:!!
彼女はすぐに口を開いた。「それは問題ないわ!帰ったらすぐにあなたのランキング1位になるわよ!」
この言葉を残し、藤本奥様は立ち上がり、慌てて別荘を後にした。
別荘を出た後、吉川は笑いを抑えられなかった。「ほら見てください、いつも会社を寺田さんに任せると言いながら、毎回じっとしていられず、心配してしまう。実際、寺田芽と芽は、私たちが想像しているよりずっと優れているんですよ。」