第55章：これは明らかに羊の丸焼きではないか！

二十八万八千八百八十八？

　　なんてこと！

　　林婉婷は生涯でこんなにたくさんのお金を見たことがないわ！

　　このドレス1着が、彼女がこれまで使ってきたお金よりも多いかもしれない！

　　どうしよう？すごく気に入った！

　　林婉婷は微笑みながら黙っている蘇千瓷を見て、言った。「千瓷、きれいだと思う？」

　　「まあまあね」

　　「じゃあ、買う？」

　　「気に入ったなら買えばいいわ。高くもないし、たった二十数万だけだもの」蘇千瓷は唇の端を少し上げて、まるでその二十数万が本当に大したことではないかのように言った。

　　彼女にとっては、確かに高くない。

　　蘇家は彼女の体面を保つために、大量の宝石、衣装、不動産を持参金として与え、その価値は1000万近くに達した。

　　厲家の長老たちからの祝儀袋も加えると、前後のそのお金は全て彼女自身のポケットに入った。