第36章：浴室に侵入した「泥棒」

蘇千瓷がドアを開けた瞬間、外の微かな物音も突然消えた。

　　死んだような静けさを聞いて、蘇千瓷はさらに確信した。入ってきたのは「泥棒」だと！

　　しかし、今は出られない！

　　もしこの「泥棒」が女ならまだいいが、もし男だったらどうしよう？

　　急いでドアを閉め、蘇千瓷は直ちに鍵をかけ、背中でドアを支えた。

　　1秒、2秒...数分が過ぎ、蘇千瓷は体が少し冷えてきたのを感じた。特に足元が。

　　彼女は入浴時に靴を履く習慣がなく、今や湯が冷めて、足の裏から体中に寒気が走る。

　　寒い！

　　でも、この「泥棒」は自分が気づかれたことを知って、もう去ったはずだよね？

　　蘇千瓷が恐る恐るドアを開けて顔を出すと、一目で堂々とした黒い胸板が目に入った。

　　突然目の前に人が現れ、蘇千瓷は驚いて叫び声を上げ、思わず後ろに引っ込もうとした。