第60章：この男、毛深いだけでなく、病気持ちでもある！

すぐに、林婉婷は連れ去られ、美容室は静かに戻った。

　　余裏裏は怠そうにソファに寄りかかり、小指で耳をほじりながら言った。「やっと静かになったわね。でも、あなたと彼女の関係はずっと良かったんじゃなかったの？あなたが彼女を助けると思ってたわ。まあ、あなたがそこまでバカじゃなかったってことね」

　　当然よ。前世で一度バカをやったんだから、今世でまた林婉婷の手に落ちたら、生まれ変わった意味がないじゃない？

　　蘇千瓷は唇を少し上げ、余裏裏がますます自分の好みだと感じた。

　　前世では唐夢穎に毒されすぎて、自分が厲家の嫁だと一心に思い込み、かつての「貧しい人々」として知り合った人々とは接触を避けていた。

　　彼女は唐夢穎を少しも疑うことがなかった。今になって、こんなにも多くの楽しみを逃していたことに気づいた。