第204章:自ら火を弄んだ、自ら呑み込む

この声が、さらに戦いの号角を吹き鳴らした。

  厲司承は腕を締め、唇を噛み、体を捩った。

  しばらくすると、蘇千瓷は息を切らし、彼の腕をさらに強く抱きしめた。「やめて……」

  「俺は誰だ?」厲司承の低い声が彼女の前で響いた。蘇千瓷は少し焦点の合わない目で彼を見つめ、少し戸惑っているようだった。

  彼女が反応しないのを見て、厲司承はさらに強く彼女を抱きしめ、強引に彼女の頭を持ち上げて自分と向き合わせ、尋ねた。「俺は誰だ?」

  蘇千瓷は呆然と彼を見つめ、少し考えてから甘ったるい声で呼んだ。「だんな~!」

  「だんなって誰だ?」

  「あなたよ!」

  「俺は誰だ?」

  「厲司承、あっ……」胸をまた含まれ、蘇千瓷は彼の腕をさらに強く抱きしめ、悲鳴を上げた。

  「いい子だ、リラックスして。」

  「うぅ……そこ舐めないで、くすぐったい。」

  「じゃあ、ここは?」

  「んん……やめて……」

  「ここは?」

  「うっ……」

  「ここは?」

  「……」

  いつの間にか、ワンピースは半分脱がされ、上半身が全て露出していた。蘇千瓷は焦点の定まらない目で、少しぼんやりとしていた。

  しかし、厲司承はこの時になってようやく気づいた。この女、どうやら……出血しているようだ!

  蘇千瓷は全く気づいていなかった。体の上の男が止まったのを感じ、少し不満そうに低く鳴いた。

  厲司承は身を引こうとしたが、自分の腰が抱きつかれているのに気づいた。

  「チッ……妖精の國め。」厲司承は彼女の脚を開いた。「わざとだろう?」

  蘇千瓷はそれを聞いて、低く笑い声を上げた。まるで彼の言葉に答えているかのようだった。

  厲司承の目が暗くなったが、長居するつもりはなかった。自制心を失って、赤信号を無視して突っ込んでしまうのは……まずいからな!

  長く息を吐き、厲司承は彼女の脚を外し、立ち上がろうとした時、蘇千瓷の手が伸びてきて、彼の襟をつかんだ。

  少し後退すると、蘇千瓷は酔った目で目の前にそびえ立つ雄々しい光景を見つめ、瞬きした。

  手を伸ばし、軽く握った。

  うん、硬い。