第255章：一言も交わさずに秀恩愛

面会は、すぐに終わった。

　　老爺と秦書畫などの親戚たちは一緒に帰り、他の来客もすでに散っていた。

　　歐銘と余裏裏、そして羅戰、程幽が残り、厲司承夫妻と一緒にきれいな部屋を見つけて座った。

　　「程幽、羅戰を手伝って、あの日我々が宿泊したホテルを見つけ、その日のその時間帯の監視カメラの記録を取り寄せてくれ」

　　「はい！」

　　「羅戰、その日の搭乗情報を手に入れてくれ」

　　「了解」

　　「歐銘」

　　「嘘発見器だろ？任せてくれ」

　　「違う」厲司承は深い眼差しを向け、蘇千瓷の方を向いて言った。「俺の潔白を証明してほしい。俺の妻は、どうやら俺を信用していないようだ。そうだろう？」

　　蘇千瓷はこの言葉を聞いて、少し心虚になった。

　　信用していないのか？

　　信用したいのだが...唐夢穎は本当に嘘をついているようには見えなかった...

　　「おいおい」歐銘が声を上げた。「いつから厲さんが他人の目を気にするようになったんだ？昔は、お前がゲイだとか、不能だとか言われても、潔白を証明しようとしなかったじゃないか」

　　羅戰も驚いたように言った。「そうだよな。あねさん、昔はたくさんの女の子が老二に告白したけど、いつも冷たい顔して、たくさんの女の子を怖がらせたんだぜ。それにそれに、ある時俺を抱きしめたことがあって、それ以来俺の噂の彼氏になっちまった。くそっ、こんなにストレートな俺が、それ以来いろんな女の子からゲイの目で見られるようになっちまった。その気持ち、どれだけ辛いか分かるか！！」

　　羅戰は悲憤慷慨とした表情で、話し方や動作が陸亦寒にそっくりだった。

　　蘇千瓷は「プッ」と笑い出し、同時に陸亦寒のことを思い出した。

　　彼は自分を救うために怪我をした。今、病院で一人でどうしているだろうか...