第370章：厲奥様、あなたは福利を削っている

無意識のうちに、蘇千瓷は自分のお腹に触れ、足を組んで座り直すと、目をパチパチさせながら言った。「もしかして、毎回安全日に当たってるのかな？」

　　厲司承は深く考え込み、指を折って数え始めた。

　　蘇千瓷はそれを見て顔を赤らめ、彼の手を払いのけた。「何を数えてるの？いつのことまで覚えてるの？」

　　「覚えてる」厲司承はますます眉をひそめた。「そんなに回数多くないから、覚えてないわけがない」そう言って、ため息をついた。「結婚してこんなに経つのに、全部で1回、2回...5回だ」

　　数え始めなければよかったのに、数えてみると厲司承の心はとても切なくなった。

　　顔を上げると、漆黒の深い瞳が彼女に向けられ、濃厚な怨念を帯びていた。その眼差しはますます深く濃くなり、露骨な飢えた狼の性質を帯びていた。

　　蘇千瓷は少し怖くなり、すぐに後ろに下がろうとした。

　　厲司承の手はもっと速く、彼女を直接捕まえてベッドに押し倒した。

　　柔らかなベッドは彼らの激しい動きに合わせて軽く揺れ、すぐに蘇千瓷の唇が塞がれた。

　　厲司承の動きはとても優しく、優しすぎて蘇千瓷の心が少し酔いそうになり、幸福感が瞬時に膨らんだ。

　　彼が彼女にキスするたびに、彼女はいつも素晴らしい錯覚を感じた——彼が彼女と一緒にいるのは、性のためではなく、愛のためだと。

　　キスは、ますます深くなっていった。

　　蘇千瓷の呼吸はますます急になり、彼が次の行動に移ろうとした時、崖っぷちで踏みとどまり、「厲さん...」と呼んだ。

　　「ん？」

　　この呼び方に、厲司承はますます好きになっていった。

　　以前は、この呼び方が冷たすぎると感じていたが、今では最も甘美だと思うようになっていた。

　　厲さん、厲奥様。

　　お互いに呼び合うだけで、周りの独身者たちに強烈な打撃を与えるのに十分だった。

　　厲司承は口角に笑みを浮かべながら、動きを止めずに軽く応じた。

　　蘇千瓷は息を切らしながら、彼の悪さをする手を押さえて言った。「今日はダメ」

　　厲司承は顔を上げ、不満そうに言った。「厲奥様、これは福利厚生の削減だぞ」

　　「あの...来ちゃったの...」蘇千瓷の声はだんだん小さくなっていった。

　　「いつから？」

　　「たった今気づいたの...」