第360章:私は……金玉が痛い……

「あの、」程幽は自分が話しすぎたことに気づき、「もし大ボスに私が彼のことを売ったと知られたら、きっと私の労働力を搾取されるわ!女将さん、絶対にボスにこの話をしないでください。私たちだけの秘密にしましょう」

蘇千瓷は微笑んで、「うん、じゃあね」

「さようなら!」

電話を切ると、蘇千瓷は深く息を吸った。

女将か……

前世では、程幽はずっと彼女を奥様と呼んでいた。離婚後は、蘇さんと呼んでいた。

女将という三文字、悪くないな。

高速道路を出て車を運転していると、ちょうど今いる道路が厲司承の会社からとても近かった。記憶を頼りに厲司承の会社に向かって車を走らせると、2分もしないうちに、その独特で壮大な形の高層ビルが見えてきた。

厲氏は康シティでも、ランドマークの一つだった。

蘇千瓷は車を停めて中に入ると、受付の女性は一目で彼女を認識し、「奥様」と呼びかけた。