第386章:昔の思いを懐かしみ、目の前の人を慈しむ(2)

康城第一病院。

  開院してから何十年も経つが、病院で早産の妊婦を受け入れたことがないわけではない。しかし、これほど大きな注目を集める早産は、10年以上働いてきたベテラン医師たちにとっても初めてのことだった。

  分娩室の外には10人以上の人々が集まっていた。遮蔽物があるため大型カメラは入れないものの、隠し撮りをしたり、ライブ配信をしたり、急いでニュース原稿を作成したりしている様子が見て取れた。

  程幽が自ら現場に来て監視し、何か不測の事態が起きないよう見張っていた。

  天知る、程幽がこの瞬間をどれほど長く待っていたことか!

  唐夢穎のような愛人は、誰もが誅すべき存在だ。

  彼女は大ボスがこの女に冤罪を着せられるのを目の当たりにした。すべては唐夢穎のせいで、女将が大ボスと離婚しそうになったのも、全てこの子供のせいだった。

  いよいよ山場が来た。程幽は興奮して全身が高ぶっていた。

  子供が生まれて、この全ての人々の前で親子鑑定をすれば、唐夢穎にはもう言い訳の余地はないだろう。

  そうすれば、康シティの人々全員が唐夢穎がどんな人間なのかを知ることになる。その時の彼女の顔は、まさにパンパンパンと骨の髄まで気持ち良いほどに打ち砕かれるだろう!

  「人が多すぎます。みんなここに集まらないでください!」ある看護師がいらだたしげに言った。「外で待っていてください。出産を見て何が面白いんですか!」

  程幽は自覚的に後ろに下がった。ニュース社の記者の一人が静かにするよう合図を送ると、その場にいた10数人は誰一人として音を立てなかった。

  看護師はそれを見て、彼らを追い払えないことを悟り、そのまま分娩室に入った。

  外から足音が聞こえてきた。少し聞き覚えのある音で、程幽が見ると容睿だった。

  彼を見て、程幽は一瞬驚いて叫んだ。「おい、何しに来たんだ?」

  初恋の人が子供を産むのを見に来たのか、また邪魔をしに来たのではないだろうか?

  容睿は程幽を見て、鋭い目つきが少し柔らかくなり、こう言った。「けじめをつけに来たんだ。」

  「けじめ?」程幽が繰り返すと、気づいた時には容睿がどこからかカードを取り出し、スワイプして分娩室のドアを開けて入っていった。

  程幽は目を見開いて思わず叫んだ。「くそ、ずうずうしい野郎だ!」