第412章：HIVに感染した？

蘇千瓷は頭を下げ、頷いて「うん」と答えた。

食事が終わると、厲老爺は朝早くから書いていた対聯と、六姉さんと秦書畫が数日かけて切り抜いた切り絵を全部取り出し、厲司承に投げ渡して言った。「こんなに遅く帰ってきたからって手を抜くんじゃないぞ。全部貼り付けろ。どの部屋も抜かすなよ！」

厲司承は笑いながら了承し、受け取った。蘇千瓷は前に出て切り絵の一部を受け取り、のりを持って手伝いに行った。

各部屋に一つずつ貼っていくうちに、蘇千瓷は少し力不足を感じた。

自分の体調がますます悪くなっていると感じた。以前なら、こんなにへとへとになることはなかったはずだ。

貼り終わったのは、それから2時間以上経ってからだった。

おじいさんは彼らに古い屋敷に泊まるように言ったが、蘇千瓷は異議なかったものの、厲司承は急な用事ができたと言って慌ただしく出て行った。

蘇千瓷は一人で部屋に横たわり、天井を見つめて物思いにふけった。

その夜は何事もなく過ぎた。

厲司承は当初午後の飛行機を予定していたが、午前中に前倒しでイタリアへ出張に行った。

小正月が過ぎると、蘇千瓷は試験戦線に参加した。

試験を終えた蘇千瓷は、さらに疲れて力が入らないと感じた。

数日後、蘇千瓷は誰にも告げずに、彼らの住まいからかなり離れた小さな病院を訪れた。ネット上の評判も非常に良かった。

運転する勇気がなく、蘇千瓷はタクシーで向かった。

サングラスと帽子を身につけ、感染症科で受診した蘇千瓷は採血を済ませ、外で静かに座っていた。

「柳先生、確実なんですか？私の息子が本当にエイズに感染しているんですか？」ある婦人の声が震えながら聞こえてきた。その声から、蘇千瓷は柳先生が「はい」と言えば、その婦人はすぐに崩れ落ちて泣き出すだろうと確信した。

柳先生の声は小さく、蘇千瓷には何を言っているのか聞き取れなかったが、その婦人はすぐに大声で泣き叫び始めた。「なんてことなの、私の息子はまだ若いのに、どうすればいいの...」

すぐに婦人は出て行き、泣きじゃくる様子は絶望的だった。

蘇千瓷の心はさらに不安になった。自分の番になり、診察室に入って医師の前に座った。

専門医の名札には柳泉と書かれており、蘇千瓷はなぜかこの名前に見覚えがあるような気がした。