第465章：深夜、男女二人きり……

「ああ」蘇千瓷は素直に目を閉じたが、どうしても眠れなかった。

目を上げると、その深く黒い瞳と出会い、蘇千瓷は唇を噛んで、顔を上げてキスをした。「おやすみ」

「おやすみのキスはそうじゃない」厲司承は彼女の頭を抑え、頭を下げて彼女の唇を含み、浅いキスは次第に深くなり、極めて優しかった。

蘇千瓷は彼の背中に手を這わせ、陶酔しながら彼を抱きしめ、最後には息を切らしていた。

顔を赤らめて俯いた蘇千瓷は、もう動くことすらできなかった。

厲司承は彼女を抱きしめ、唇の端を少し上げて、目を閉じた。

一方、怡景灣の別の部屋では、容睿が彼女を真ん中に引っ張り、布団をかけた後、背を向けて電気を消し、それ以上の動きはなかった。

程幽はそっと横に移動し、背筋を硬くして、一切動かなかった。

隣から規則正しい寝息が聞こえてくるまで、程幽はようやくほっと息をついた。

くそっ...スリル満点だ！

こっそり起き上がり、程幽は暗闇の中で先ほど半分飲んだミネラルウォーターを探した。

程幽は昼間の視力は非常に良かったが、夜になると...夜盲症だった。

あたり一面真っ暗で、程幽は壁を伝ってテーブルを探していたが、不注意で足先がカーペットの端に引っかかり、前のめりに倒れ込んだ。転倒の音は、この静かな夜にことさら目立った。

程幽は叫び声を上げそうになり、必死に口を押さえ、急いで地面から立ち上がって後ろを見た。

何も見えないけど...彼は目を覚まさなかったはず？

手探りでテーブルまで行き、程幽はようやくミネラルウォーターを見つけ、数本まとめて持ち上げ、一番軽いものを取って、ごくごくと飲み干した。

戻る方向に手探りで進み、程幽は今度は意識的にその出っ張りを避け、手をベッドの端に伸ばした。

そーっと、そーっと...

しかし、彼女が先ほど寝ていた位置に回り込み、上がろうとした時、手が温かい人体に触れてしまった。

程幽は大いに驚き、すぐに手を引っ込めたが、同時に大きな手に引っ張られた。

程幽は驚きの声を上げ、体全体が持ち上げられ、気がつくと、しっかりと抱きしめられていた。

「容睿！」

程幽は低く叫んだが、相手は全く反応を示さなかった。