第552章：主を失えば部下は散る

「そうですよね。以前、厲社長がいた時は、こんなに長く待たせることなんてなかったのに。あなたときたら、新しい上司になって威張り散らしているんですか？」

「それとも、この会議に参加したくないということですか？無理する必要はありませんよ！」

どうせ厲司承は死んでしまった。厲氏は空っぽの殻に過ぎない！

一人の女如きに、何ができるというのか？

みんなで株式を譲渡して、厲氏がまだ価値のあるうちに、お金に換えて他のものに投資した方がいい。後で儲からないどころか、損失を出すことになるかもしれないのだから。

このような考えを持っているのは、一人や二人ではなかった。

厲氏の創業からそれほど時間は経っておらず、株主は全部で八人いた。

かつて厲司承と共に奮闘した仲間もいれば、後から出資した年配の株主もいた。

発言しているのは、主に年配の、厲堯と同世代くらいの男性たちだった。

むしろ若い方々は、蘇千瓷を見つめるだけで、黙っていた。

蘇千瓷は腕時計を確認して言った。「もし私の記憶が正しければ、株主総会は午後2時からのはずです。私が入室してから皆様の非難の言葉を聞くまで2分経過し、今は14時01分です。つまり、私は13時59分に入室したことになります。遅刻したでしょうか？」

「いいえ」前の方に座っている30歳前後の精鋭ビジネスマンが口を開いた。

方晨、厲氏の最大株主の一人で、最初から厲司承と共に天下を目指してきた人物だ。

「ふん、厲社長なら3分前には到着していたものですよ！」

「そうですか...つまり、私は遅刻していないのに、なぜ私を非難するのですか？」蘇千瓷は議長席に座りながら言った。「だんなの習慣が私の習慣とは限りません。以前はだんなの習慣に慣れていたでしょうが、これからは私の習慣に慣れていただくことになります」

年配の男性の一人が嘲笑うように言った。「つまり、あなたは厲氏の社長になるつもりだと？」

「冗談じゃない。一人の女が、どうして厲氏の意思決定者になれるというんだ？こんな大きな会社を、あなたの手で潰さないことを祈るばかりだ！」

「まあ、もしそうなら私たちも文句は言えませんがね。最大の株式はあなたの手にあるんですから。だんなが死んで、厲氏全体があなたの手に握られているんだから、あなたの言うとおりになるでしょう？」