第592章:厲司承でさえも勝てない貴方

「大丈夫よ、彼は緊張しすぎているだけ」唐清も笑い出し、ちょうど車も止まった。「着いたわ、降りましょう」

「ええ、お客様からどうぞ」蘇千瓷は手を差し出した。

唐清はボディーガードと共に車を降り、雙玉は振り返って蘇千瓷を見た。蘇千瓷は彼女に向かって眉を上げて微笑み、雙玉の顔にも笑みが浮かんだ。

成功!

蘇千瓷は立ち上がって車を降り、すぐに唐清の腕に手を回して中へと歩いていった。

ボディーガードは眉をひそめて見ており、唐清は少し居心地が悪そうに蘇千瓷を押しのけようとしたが、蘇千瓷は彼女の拒絶に気付かないふりをして、彼女を引っ張って店員に個室を用意させた。

人数が少なかったため、この個室も大きくなく、そのため部屋の中にトイレはなかった。

唐清は周りを見回した後、ほっとした様子で言った。「ちょっとトイレに行ってくるわ」