「大丈夫よ、彼は緊張しすぎているだけ」唐清も笑い出し、ちょうど車も止まった。「着いたわ、降りましょう」
「ええ、お客様からどうぞ」蘇千瓷は手を差し出した。
唐清はボディーガードと共に車を降り、雙玉は振り返って蘇千瓷を見た。蘇千瓷は彼女に向かって眉を上げて微笑み、雙玉の顔にも笑みが浮かんだ。
成功!
蘇千瓷は立ち上がって車を降り、すぐに唐清の腕に手を回して中へと歩いていった。
ボディーガードは眉をひそめて見ており、唐清は少し居心地が悪そうに蘇千瓷を押しのけようとしたが、蘇千瓷は彼女の拒絶に気付かないふりをして、彼女を引っ張って店員に個室を用意させた。
人数が少なかったため、この個室も大きくなく、そのため部屋の中にトイレはなかった。
唐清は周りを見回した後、ほっとした様子で言った。「ちょっとトイレに行ってくるわ」