長い間服を探していた厲司承は、男の子向けの漫画のパジャマを2着見つけ出した。1着は青いウルトラマン柄で、もう1着は灰色のチェック柄だった。
厲司承はウルトラマン柄を厲墨森に、チェック柄を厲簡謙に投げ渡して言った。「自分で着なさい。男の子は自立することを学ばないと」
厲墨森は興奮して頬を赤らめながら頷き、尊敬の眼差しで厲司承を見つめて言った。「叔父さんすごい!どうしてこれが僕のでそれが大蘇さんのだってわかったの?」
厲司承は答えずに、彼のボタンを外してあげながら軽く笑って言った。「知りたい?」
厲墨森は何度も頷き、キラキラした目で彼を見つめた。
厲簡謙も彼を見つめ、厲司承にそっくりな瞳の中で、黒い瞳孔が輝いていた。
厲司承は厲簡謙を一瞥し、目を細めて尋ねた。「君も知りたい?」
厲簡謙は彼の視線に触れ、頬を少し赤らめて目をそらした。「別にそんなに知りたくない」
軽く笑いながら、厲司承は自然に言った。「大蘇さんは私の息子だからさ」
厲墨森はそれを聞いて不思議そうに、半分理解したような様子で頷いた。
一方、厲簡謙は少し驚き、心の中の不思議な感覚がさらに強くなった。
自分が彼の息子だから、この服が自分のものだとわかったの?
厲簡謙もこの言葉の意味がよく理解できなかったが、考える間もなく、厲司承は立ち上がって言った。「私は戻るよ。二人とも服を着て遊んで、早く寝なさい」
「はい、叔父さん!バイバイ!」
厲簡謙は黙っていたが、厲司承は彼を一瞥し、厲墨森の頭を撫でて「また明日」と言った。
「うん!」
しかし厲司承がドアまで来た時、厲簡謙はようやく口を開いた。「まだ服着てないじゃない!」
「ここに私の服があるの?」厲司承はそう一言言っただけで、ドアを開けて出て行った。
「ふん!」厲簡謙は頬を赤らめ、心の中で何故か少し浮き立つような気持ちになった。
この浮き立つ気持ちは突然やってきたが、厲簡謙の今日ずっと晴れなかった気分が、一気に良くなった。
厲司承はバスタオル一枚だけを身に着けて部屋に戻り、ドアを開けた時、蘇千瓷は驚いた。
急いで彼を中に引っ張り込み、外を確認した。
幸い、客はいなかった。
この人も大胆すぎる!