第801話：一緒に寝よう

「かっこいい……」

余裏裏の顔がさらに赤くなり、少し息苦しく感じた。

テーブルを片付けながら、余裏裏はずっと顔を上げる勇気がなかった。

ゴミを捨てて戻ってきたとき、歐銘はもうダイニングにいなかった。

リビングにもいなくて、余裏裏は少し落胆した。

ただ、彼女が部屋に入ろうとしたとき、中から足音が聞こえてきた。

余裏裏は驚いて叫んだ。「誰？」

歐銘がクローゼットの入り口に立って顔を覗かせ、手にバスローブを持っていた。「誰がいるって？」

余裏裏は瞬きをして、彼が手に持っている服を見て、少し驚いた。「あなた……」

「ああ、今日から、ここに住むことにした」

「でも……ここは私の部屋です」余裏裏はそう言った後、少し顔が赤くなった。

そもそも、ここは歐銘の場所で、彼女は一時的に住まわせてもらっているだけだった。

歐銘は気にする様子もなく、バスローブを持ってバスルームに入った。

余裏裏は急いで前に進み、クローゼットに入って衣装ケースを開けると、中には既に半分ほど男物の服が詰まっていた。

振り返ると、ベッドのシーツや布団までもが男性用の濃い色に変わっていた。

彼女が片付けていた枕も、また置かれていて、二つになっていた。

これは……彼女と一緒に住むつもりなのか？

余裏裏は一瞬固まり、心の中で突然嫌な感じがした。

結局、彼の優しさには目的があったのだ。

彼はまだ……あの彼女が欲しいのだ。

余裏裏は少し落ち込んで、彼がシャワーを浴びている間に、クローゼットから予備の布団と枕を取り出し、抱えてリビングに出た。

別荘には部屋がたくさんあったが、ほとんどが空き部屋で、ベッドがあるのは主寝室だけだった。

歐銘がここにいるなら、彼女はソファで寝るしかない。

布団を敷き終えたとき、歐銘が髪を拭きながら出てきて、彼女のその行動を見て、深褐色の瞳が少し深くなり、軽く笑って呼びかけた。「余裏裏」

「え？」余裏裏は条件反射のように跳び上がり、振り向くと歐銘の黒いバスローブ姿が目に入った。美しく健康的なラインが容易に浮かび上がり、余裏裏の顔は一瞬で真っ赤になった。

すぐに前を向き直り、余裏裏は体を硬くして、心が乱れながら言った。「あなた……どうして私の名前を知ってるんですか？」

あの時、彼女が告げたのは、鯉魚のはずなのに……