第879章:借花献仏

羅戦は足を止め、その場に立ち止まった。若拉は彼の腕を引っ張ったが動かなかったので、振り返って羅戦を見て尋ねた。「どうしたの?」

羅戦は軽く首を振り、言った。「何でもない。ただ、まだ解決していない用事を思い出しただけだ。君は友達を誘って食事に行くか、あるいは先に帰ってくれないか?会社に戻って少し仕事を片付けなければならないんだ。」

若拉はその言葉を聞いて、少し落胆した様子だった。

しかし羅戦の表情を見て、彼女は頷いた。「わかったわ。でも、あまり遅くまで働かないでね。夜はちゃんと早く寝てね。」

「うん、わかった。」

若拉は名残惜しそうに彼を見つめ、一歩踏み出して羅戦の前に立った。

羅戦は少し驚き、彼女を不思議そうに見た。

若拉は両手を彼の肩に軽く置き、その柔らかな感触に羅戦は何か不思議な感覚を覚えた。