厲靳南はこの言葉を聞いて、思わず笑い、葉悠悠が去っていく背中を見つめながら、瞳の中に深い戯れの色が浮かんだ。
「私も初めてだよ」と厲靳南は無念そうに言った。「計算してみると、どうやら私の方が損しているようだ」
赤ワインのグラスを手に取り、厲靳南は一口飲んだ。
電話を取り上げ、厲靳南は連絡先リストをスクロールして、羅戰の番号を見つけて電話をかけた。
羅戰はゲームをしていたところ、突然電話がかかってきて少し苛立った。
しかし発信者を確認すると、少し驚いた様子で「厲さん?」と言った。
電話に出ると、羅戰は相手が口を開く前に冗談めかして言った。「おや、どんな風が吹いたんだ?厲さんまで吹き寄せるなんて。どうした、何か用か?」
厲靳南はその冗談を聞いても怒らず、「羅兄さん、どうして私が助けを求めていることを知っているんだ?」と呼びかけた。
「ふん、お前ら兄弟は同じだな。用事がなければ、俺のところに来るか?」
答えはもちろん、ありえない!
「それで、一体何がしたいんだ?」
「うーん、國家結婚管理局に知り合いがいないから、君に助けを求めるしかないんだ」
「結婚したいのか?」羅戰は興味を示した。「相手は誰だ?男か女か?」
厲靳南:「……男だったら、父に殺される前に、おじいさんが先に私を絞め殺すだろう」
「ハハハ……それで、誰なんだ?おや、厲さんも大人になったな。早く教えろよ、相手は一体誰で、名前は何で、何歳なんだ?」
「そんなことは重要じゃない。この女性がすでに結婚しているかどうか調べてほしいんだ」
羅戰は呆然とした。「まさか、すでに結婚している女を好きになったのか?」
「可能性があるだけだ。彼女が私を騙しているんじゃないかと疑っている」
「おいおい、お前、彼女が好きなのか?」
「まあね」厲靳南は手の中の赤ワイングラスを置いて言った。「一度寝ただけだから、好きというほどでもないが、悪くない感じだ」
「おやおや、厲さんも目覚めたな。女と寝るなんて。よし、名前と身分証番号を教えてくれ。兄貴が調べてやる」
「うん、ちょっと待って、調べるよ」
「彼女の結婚相手は知ってるか?名前を教えてくれてもいい」
「葉悠悠、沈洛安だ」