第53章 クランクアップパーティー

林澈は無言で俞閔閔を見つめていた。

  長く付き合ってみると、俞閔閔は打算的ではあるものの、実際にはそれほど嫌な人間ではないと感じるようになった。

  おそらく二人とも打算的な面を隠さずに表に出しているせいか、彼女に偽りがなく、自分を弁護しようともしないので、嫌いになれないのだろう。

  以前は俞閔閔が彼女に対してそれほど好意的ではなかったが、実際にはそれほど悪くもなく、ただ林澈が人気がなかったので当然機会も少なかっただけだ。今や林澈は彼女の下で重点的に育成されているタレントと言えるので、二人の関係もずっと良くなってきた。

  すぐに顧靖予が言っていたクラブに到着した。

  外から見ただけでも、ここが普通のクラブではないことがわかった。むしろ設備の整った総合リゾートクラブのように見え、下層は娯楽施設、上層はホテルになっており、食事、カラオケ、ゲーム、バーと、何でも揃っていた。