第76章 莫惠苓が意図的に彼にしがみつく

莫惠苓は二人を見つめていた。一人は背が高く、もう一人は細身で、二人が寄り添って立っている様子は非常に親密そうだった。

  そして顧靖澤の手には小さな贈り物の袋が下がっており、その袋には店の名前「時光雕刻」が描かれていた。

  莫惠苓は急いで数歩歩み寄り、顧靖澤の腕をつかんで、こっそりと二人の間に割り込んだ。「靖澤」と彼女は顔を上げて顧靖澤に微笑みかけ、彼の手にあるものを取ろうと手を伸ばした。「何を持っているの?見せて」

  顧靖澤は無意識に身をかわした。「何でもないよ」

  莫惠苓は避けられて顔をこわばらせ、顧靖澤を見つめながら口をとがらせた。「どうして誰も連れてこなかったの?なぜあなたが持ってくる必要があるの?私が持ちましょう」

  顧靖澤は思わず横にいる林澈を見た。