第115章 顧靖澤が邪悪すぎる

林澈は部屋に戻ると、急いで寝室に入り、まずシャワーを浴びて、彼の匂いを体から洗い流した。

  このろくでなしの顧靖澤、まったく死にそうだ!

  彼がどうしてこんなに……こんなに邪悪で、こんなに憎たらしいのか。

  本当に恥ずかしくて死にそうだ……

  彼女は布団で頭を覆い隠した。くそっ、くそっ、くそったれの顧靖澤……

  顧靖澤はトレーニングの後、そのままジムで体を洗った。

  冷たい水を浴びると、体がようやく少し楽になったようだ。

  一瞬、手にはまだ彼女の香りが、彼女の感触が残っているようだった。

  その感覚は、嫌なものではなかった。

  目を閉じても、体の興奮を静めることはできなかった。

  くそっ。

  シャワーの水量を上げ、彼はほとんど全身を冷たい水に浸して体の異常を鎮めようとした……

  ジムを出たときには、すでに1時間後だった。

  秦浩が慌てて走ってきた。

  「ご主人様、先ほど私をお呼びでしたか?」

  顧靖澤は秦浩を軽く見て、「君が以前言っていた、秦卿が今日空港にいたという件だが?」

  またこの話かと思った秦浩は急いで頭を下げ、「はい、ご主人様、あまりお怒りにならないでください。秦三少様と奥様は実際には……」

  「パン」と音を立てて、顧靖澤のファイルが机に叩きつけられ、秦浩の言葉を遮った。

  秦浩は呆然と顔を上げた。「ご主人様……」

  「いや、今回の君の仕事はよくやった。」顧靖澤は薄く笑い、口角を上げた。

  しかし秦浩にはなぜか少し冷たく感じられた。

  「ご主人様のために働くことは、私の使命です。ご主人様のお褒めの言葩、ありがとうございます。これからもっと頑張ります。」秦浩は笑いながら言った。

  顧靖澤は言った。「褒美として、君に気分転換をさせてあげるべきだと思う。」

  「え?ご主人様、そんな気を遣っていただかなくても、あなたは……」

  「ちょうど前回カンボジアの下請け工場で問題が起きたんだ。そこに行って気分転換しながら、ついでに工場の問題を見てくるといい。」

  「あ……」

  ご主人様、これが本当に褒美なのでしょうか?