第176章 あなたたち本当にカップルだったのね

「彼氏?」秦綰綰は小声で言った。「安心して、誰にも言わないわ。私たちの業界では、知っていることは自分だけのものよ。パパラッチには教えないわ。そうじゃなきゃ、あなたとの電話で男の声を聞いたってニュースが今日のトップになってたわ」

そうだな、と林澈は思った。どうせ彼女は声を聞いてしまったのだから、隠す必要もないだろう。

「まあね……」

「あら、本当に彼氏がいるのね。いいじゃない、よく隠してたわね。いつか紹介してよ、一緒に会いましょう」

林澈は「機会があればね」としか言えなかった。心の中では、顧靖澤を連れ出すなんて正気の沙汰じゃないと思っていた。

その時、外から歓声が聞こえてきた。林澈は「誰か大物が来たのかな」と言った。

今日は大物が多くて、外からの歓声が途切れなかった。羨ましい限りだ。