第210章 夫婦二人の仲がますます良くなっていく

しかし、林澈はそれでも彼の背中を平手打ちし、彼を大人しく待たせてから、その上から塗り始めた。

顧靖澤の体の傷は本当に多かった。ただ、顧靖澤の先ほどの言葉を聞いて、林澈にはどの傷が自分のせいで、どの傷がエレベーターの中でできたのかわからなくなった。

そのため、背中の痕跡を見ながら薬を塗りつつ、顔は熱くなっていた。

やっと塗り終えたと思ったら、顧靖澤が彼女の手を一握りしたのを感じた。

林澈はそれにはっとして、振り返ると、顧靖澤の目が血走り、彼女の体を見つめているのを感じた。朝早くに着替えたばかりの新しい服なのに、今彼に見られているのは、まるで服を着ていないかのようだった。

手はまだ振りほどけず、彼は彼女を引っ張って、直接自分の膝の上に座らせた。

林澈は彼の顔を見て、さらに恥ずかしくなった。

顧靖澤は先ほど彼女に自分の体をそのように擦られ、その小さな手がかすかに触れるのを感じて、体が一つずつ締まっていくのを感じていた。

「あなた...何してるの、ここは居間よ、人が...」林澈は怖くなって急いで周りを見回した。他の人に見られたらどんな表情をするか想像もできなかった。

しかし、顧靖澤は明らかに気にしていなかった。彼女を見て言った。「どんな人?」

「どこにでも人がいるわ...」

使用人は普段も行ったり来たりしているし、今見回しても確かに誰も居ないようだけど、彼女の心はまだとても緊張していた。もしかしたら誰かが入ってきて、彼女と顧靖澤が...顧靖澤とこんな風に座っているのを見たら、笑い者になってしまうのではないか。

顧靖澤は言った。「君はまだ人がいるのを見たの?俺には誰も見えないけど...君はどこに人がいるのを見たの?まあ、この家は確かに不思議なところがあるね。結局何年も経っているし、改修しても、まだ何年も経っているから...」

「...」林澈は彼が自分を怖がらせようとしているのがわかり、怒って彼の胸を叩いた。「顧靖澤、なんで私を怖がらせるの。」

林澈の小さな顔がしわくちゃになるのを見て、彼は笑いながら林澈を抱き上げた。「行こう、中で詳しく話そう。」

「いやよ...顧靖澤、あなた...」