「わ……私できない……」林澈は慌てて叫んだ。
「じゃあ、ここでしたいのか?」
「あなた……あなたはなぜいつもそのことばかり考えているの……」
「誰が先に金持ちだって言ったんだ?」
「……」
林澈も思わなかった、自分の体がこんなに敏感になるとは。
林澈を押しながら近くの部屋を探し、林澈は自分がこうすべきではないと感じた。理性は彼女に告げていた、この男から離れるべきだと。
彼の言うとおりだ、彼を離れたら、彼以上に良い人を見つけられるだろうか。
きっと難しいだろう。
でも、結局のところ彼は彼女のものではない。
彼女がこうして一時の温もりに執着するのは、本当に……
彼女は彼とこれ以上続けるべきではないと感じた。しかし、彼の手は部屋に入るやいなや、彼女の体に這い上がった。
「やめて……やめて、顧靖澤、私たちこんなことしちゃだめ……」
「暴れるな、まだ早く済ませられる。でなければ……俺のいつもの速さを知っているだろう。今日は顔も出さずに、パーティーが終わってしまうのを望んでいるのか?」
「……」
林澈は彼の言葉を聞きながら、耳たぶが彼の口に包まれるのを感じ、体がさらに崩れ落ちそうになった。
この男は……
本当に妖魔の巣窟だ。
彼の優しい手が、彼女の体のあちこちに火をつけ、すぐに彼女は抵抗できなくなった。
「俺の名前を呼べ」彼は言った。
「顧……顧靖澤……」
「旦那って呼んでくれ」彼は言った。
「だ……旦那様……」
「よし、これが良い子だ」彼はこの言葉を一緒に口の中に呑み込み、彼女がこう呼ぶのを聞いて、もう体が抑えられず、彼女を貪り食いたくなった。
「言え、俺が欲しいって……」
「もういやよ」
「早く言え……」
林澈は彼の懸命な誘惑に、もはや自分の体をコントロールできないかのように叫んだ。「欲しい……あなたが欲しい……」
彼女の魔力のような呼びかけを聞いて、彼はさらに自制できなくなった。
嵐のような情事が過ぎ去った後、林澈はそこで言葉もなく考えていた。彼女は本当に負けた、負けてしまった。