楊凌昕は笑って言った。「おばあちゃん、知らないでしょう。大統領は顧靖澤の兄で、C国で一番大きなビルは顧靖澤のもの、一番いい家も顧靖澤のもの、一番お金持ちなのも顧靖澤なんです。だから、澈さんの結婚相手は、本当にこれ以上ないほど素晴らしいんです。」
「まあ、そんなにすごいの。」彼女はあまりよく分からなかったが、それでも「これ以上ないほど良い」という意味は理解した。
彼女は感嘆しながらここを見回し、つぶやいた。「私はこんなに素晴らしい家に住んだことがないわ。本当に、宮殿みたいね。」
しかし、楊凌昕はもう何も言いたくなくなり、顔をそむけ、表情が冷たくなった。
おばあちゃんがここで療養することになり、林澈も安心して、直接会社に向かい、俞閔閔と会社の仕事を処理した。
パンダテレビ祭はすぐに公告を出し、ノミネートリストがネット上で公表された。
みんなが見てみると、林澈が自身初主演のドラマで最優秀女優賞にノミネートされていることが分かり、一気に驚きの声が上がった。
ただ、すぐに気づいた人もいた。同じく最優秀女優賞にノミネートされているのが木斐然だった。
ネット上ではすぐに「もうダメだ、林澈には勝ち目がないだろう。木斐然がいるなら、他の人には機会がないだろう」という声が上がった。
しかし、「そうとも限らない。今年のパンダテレビ祭は何か特別なことをしたいのかもしれない。林澈に大逆転をさせて、注目を集めるかもしれない」という意見もあった。
しかし、会社では工作室の雰囲気が一時的に落ち込んでいた。せっかくノミネートされたのに、木斐然と対決することになってしまったと感じていた。
そんな中、林澈が手を叩いて皆に言った。「いいじゃない。私は今回、様子見に行くだけよ。来年こそ、絶対に賞を取りましょう、いいですか。」
俞閔閔が横から言った。「もう、そんな風に士気を高めるの?完全に諦めてるじゃない。」
林澈は言った。「いいのよ。斐然ねえさんがいるなら、私には勝ち目ないわ。でも構わないわ。ノミネートされただけでいいじゃない。見てよ、ノミネートされた人たち、みんな一流の大物でしょう。私がその中に入れたなんて、お情けでも光栄よ。そうでしょ?」