第341章 最初あなたは私のことをどう思っていたの

林澈が話しながら、顧靖澤の目が再び暗くなり、彼女を見つめる眼差しが鋭くなってきたのを見て、急いで言った。「あなたが綺麗よ、もちろんあなたよ、顧靖澤。顧靖予も綺麗だけど、私の好みのタイプじゃないわ。」

顧靖澤の表情はすぐに和らいだものの、まだ不機嫌そうに彼女を見つめて言った。「次は考えてから答えろ。」

「はいはいはい！あなたが一番美しいわ、世界で一番綺麗なのはあなたよ。」病気のことを考えて、彼女はそう言うしかなかった。

顧靖澤は言った。「もういい、嘘もここまで下手だと十分だ。」

「……」林澈は呆れて顧靖澤を見つめた。「前はこんなにツンデレだとは気づかなかったわ。」

顧靖澤は言った。「前はお前がこんなに頭が悪いとも気づかなかった。」

「うるさい！」林澈は言った。「最初からあなたがこんなに扱いにくい人だと分かっていたら、絶対に結婚なんてしなかったわ。」

顧靖澤は林澈を見つめて言った。「最初からお前がこんなに知恵遅れだと分かっていたら、俺も結婚しなかった。」

「ねぇ、じゃあ最初は私が賢いと思ってたの？」林澈は好奇心を持って尋ねた。

「そうだ。ホテルで俺に薬を盛れる人間なら、そこまで頭が悪いはずはないと思っていた。」

「ねぇ、それって子供だましよ。ただホテルのスタッフを買収して中に入っただけで……しかも水に入れただけよ。」

「でも、薬を盛られる相手が俺だとは思わなかっただろう？」

「そうよ、どうして分かるはずがあるの？私はその時、顧靖予のことを特別な人だとは思ってなかったわ。ただの芸能人だと思ってただけよ。」

顧家がこんなに手ごわい相手だと知っていたら、その時は十の度胸があっても薬なんて盛る勇気はなかったはずだ。

でも、その時は一時の怒りで、それが彼女を別の世界に導き、以前は想像もできなかったような多くのことを経験させることになるとは思いもしなかった。

「そうか、相手が何者か確認もせずに薬を盛るなんて、やはり最初から頭が悪かったんだな。おそらく俺が接してきた人間は、みな計算高かったから、最初は勘違いしていたのだろう。」

「そうね、だから私と結婚したの、すごく後悔してるでしょう？何か凄いことができると思ってたのに、結局何もなくて……」林澈は思った。彼女はただのこんな普通で単純な人間で、彼はきっと後悔しているに違いない。