第352章 顧靖澤は彼女がやったとしても構わないと言う

林澈は顧靖妍を見つめ、自分のために立ち上がって話してくれるとは思わなかった。一瞬、感謝の眼差しを向けた。

陸北辰はただ、これほど多くの人々の前で、陸家と顧家の争いを見せたくなかっただけだった。人々の笑い物になるのを避けたかったのだ。

そして陸初夏は確かに彼の妹であり、直接林澈の味方をするわけにもいかなかった。そうすれば、陸家も顧家に頭を下げているように見えてしまうだろう。

しかし今、顧靖妍がこのように直接自分に逆らってきたことで、彼の心の中で怒りが沸き起こった。顧靖妍を見つめながら言った。「そうだな、お前の顧家は強い。だが、これはただのささいな出来事だ。顧家と陸家の問題にまでする必要があるのか?」

顧靖妍は陸北辰を見つめ返した。「これは人の名誉に関わる問題よ。どうしてささいな事だと言えるの?あなたは他人がどう思われようと、それは他人の問題で、自分には関係ないと思っているのかもしれない。でも、ずっと非難され続けている人は、本当に心が痛むのよ。その人の立場に立って考えようともせず、自分勝手に大事を小さく見せかけて、自分が正しいと思い込んで、他人は大局を考えていないと決めつけるなんて、あまりにも自己中心的じゃない?」